●「続・知らざる日豪関係」(76)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「戦争の兵役経験者ならではの指摘だし、おそらくはベル中尉もそうしたことを踏まえて判断していたい違いない。
 そして、そのベル中尉の判断が正しければ、飛行服の男は零戦パイロットであり、その零戦は、ベンダー准尉、A・J・某情報将校の報告にあるメルヴィル島の「ZEKE」ということである。
 飛行服の男とメルヴィル島の零戦という二つの点は、なんとかつなぐことができる。
 しかし、飛行服の男と南忠男をつなぐものは、逮捕の日付けとベル中尉報告の日付けだけで、決定的なものはない。
 どうしたらこの三十数年前の点と点を、はっきりとつなぐことができるのだろう。」