●「続・知らざる日豪関係」(81)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「私はその経路に沿って、すべての記録を調べてみたが、残念ながら入手できたのは、そのうちのごく一部でしかなかった。
 ヘイ収容所の記録では、南は入所してから数日後に、たて続けに二日間調書を取られている。
 訊問調書とはいっても、軍機密に関するようなものではなく、南個人に関することしか書かれてはいない。
 しかし情報部が南に対し、軍に関する訊問をまったくしていないとは思えないので、おそらくは別の用紙にでも記録され、それは未公開となっているのだろう。
 ヘイ収容所で取られた調書は、ダーウィンや、他の収容所での調書に比べ、はるかに詳しい内容のものである。
 調書は大型の用紙三枚に、以下のように書かれている。」