●「続・知らざる日豪関係」(96)

 
 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「これまでなんとか糸をたぐるように調べて来たが、ここに来てその糸がぷっつりと切れ、手がかりを完全に失ったようだった。
 そして、オーストラリア側での調べはこの辺が限界かもしれない、あとは日本側の資料で調べるべきかな、と諦めかけていた。
 そんなある日、私はキャンベラの陸軍局に勤務する友人宅で、雑談の合間に何気なくそれまでの取材経過を説明した。
 するとかれは、『まさかとは思うが』と前置きして、助言を与えてくれた。」