●「続・知らざる日豪関係」(131)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「そして、このあとジャパニーはマティアスに促されるまま、抵抗することもなく沿岸警備隊の基地へ行き、そこで警備隊員によって逮捕された』
『ジャパニー』が二人に向って敬礼をしたというところなど、かなりまゆつばものではあるが、全体として非常に興味深いエピソードではある。
 話の舞台はメルヴィル島なのだが、アプスレー海峡に面した西岸近くのブッシュというだけで、詳しい位置はわからない。
 また『ある日』というのは、『ダーウィン空襲のあと』というのだが、このジャパニーが南忠男だとすれば、それは一九四二年二月二十四日だろう。」