●「続・知られざる日豪関係」(337)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「高速で飛ぶ飛行機の場合、たとえばタンクなどの小さな穴から液体が漏れても、タンク内圧力と表面の空気の流れによる霧吹きの原理で、液体は開口部でスプレー状態となり、目には見えない。
 まして高速気流の発生する翼面では、その現象が顕著である。
『戦闘ノ情況』には、どのタンクから燃料が漏洩していたのか書かれてはいないが、一番先に消費する落下増槽タンクはすでにカラに近かったと思われるし、操縦席前部の胴体タンクからは漏洩しても見えづらいので、新田三飛曹が見たのは、主翼内タンクからの漏洩だったと思われる。」