●「続・知られざる日豪関係」(453)

「わたしと映画・南十字星」(3)


 持丸氏との最初の会見で、特に印象に残ったことばがある。
「オーストラリアの『特攻隊』の記録を映画化したいのです・・・」。
 2年半のオーストラリア滞在中、この国の「特攻隊」の話など、まったく耳にしたことはなかった。
 その後、休日を利用して国内での撮影現場にも何度か訪れ、この映画の監督である丸山誠治さんともいろいろと話を交わした。
 また、持丸氏の紹介で、主演の中村敦夫さん(のちに参議院議員になられた)や新人でヒロインに抜擢された宝塚歌劇団月組(当時)の黒木瞳さんらともお会いした。 
 このほか、オーストラリア側の監督であるピーター・マックスウェル氏や俳優たちとも下手な英語で話をしたが、日本側の出演者である北大路欣也さんや坂上二郎さんとお話しする機会はなかった。
(「映画の世界」とはまったく無縁だったので、新鮮な驚きの連続だった・・・)。