●「続・知られざる日豪関係」(495)
「わたしと映画・南十字星」(45)
「オーストラリアの特攻隊」の続き
帆船の基地設定がおわると、潜水艦は正確に一カ月目、即ち十月十二日の夜十二時に、マポール島へ迎えに来ることを約して帆船と別れた。
日本軍がマポール島を攻撃したのは十月十日であるから、僅か二日の違いが全員の運命を逆轉させたことになる。
潜水艦に別れると帆船は、一行二十三名中十名を基地にのこし、十三名が最後のコースに入ることになった。
警戒厳重な日本海軍水域を、一隻の帆前船を頼りに突破しようというのだから、感嘆するほかはない。
一行中ただひとりの大男ダヴィドソン少佐は船底にかくれ、他の九名が三名ずつ交代で甲板に出て帆をあやつつた。