●「続・知られざる日豪関係」(496)

「わたしと映画・南十字星」(46)


「オーストラリアの特攻隊」の続き


 用意してあった英陸戦隊が使用するコマンドーという溶液を全身にぬって皮膚の色を變えた。
 パンツを脱いで土人のふんどしと代え、帆船には日章旗と、軍政監部旗をたてることにした。
 軍政監部旗はあらかじめ濠洲で作ってきたというが、寸法、色合いは寸分たがわず、ただ監という字の臣の點が一つ抜けているだけが、後で私たちが調べた時に指摘できる相違點だつた。
 リオウ群島の海軍根據地は誰れにも怪しまれず通過できたというから、日本軍の方も相當に油断があったことがうかがわれる。
 海軍艦艇から五〇〇メートルぐらいの水域を通りぬけた。
 ダヴィドソン少佐がこの時艦艇の大部分をスケッチに収めた。