●「続・知られざる日豪関係」(500)

「わたしと映画・南十字星」(50)


「オーストラリアの特攻隊」の続き


「よし臨檢して少し威張ってやれ」
 近づいてくる哨戒艇を見て帆船では、最後の時が来たことを感じた。
「そばへ来たらお仕舞いだ」
 ページ大尉が自ら消音機關銃をとって、裸のまま、無心に近よる哨戒船を射撃した。
 もちろん土人であるとは思わなかった。
 正規の日本軍人の船と思っていた。
 敵軍の奥地深く潜入して、目的物にあと一歩というところで發砲しなければならなかったことは、彼等にとって不運だった。