●「続・知られざる日豪関係」(505)

「わたしと映画・南十字星」(55)


「オーストラリアの特攻隊」の続き


「日本軍の攻撃のし方をどう考えたか」
「實戦に徑験のない兵隊だと感じた。
 此方にとつて守るのに一番楽な地點から進もうとしていた。
 あの陣地には一カ所だけ弱いところがあり、そこから来られれば逃げられなかつたのだが、指揮官はそれに氣がつかなかったらしい」
「厳重な警戒をしたのに、どうして島から脱出したか」
「あれでは誰れでも脱出できる。
 警戒艇は島の周圍を規則正しく、同じ方向へまわつていた。
 一巡に二時間かかることが解つた。
 一度艇が通りすぎると、それから二時間は安全だつた。
 だからその間に逃げ出した」