「わたしと映画・南十字星」(58)
「オーストラリアの特攻隊」の続き
翌日、調査官の情報持ちよりの時に、彼らの輸送船攻撃の計畫のうち、二人ずつゴムボートに乗つて近づく際の、二人ずつの組み合せがまるつきり違つていることが解った。
水元大尉は職掌だけに、これは何か裏があると言い出し、
「この點に全力をつくして調査しよう」と申し合せた。
翌日私はページ大尉の取調べの時、ふいにSBの處置完了とあつたことを思いだし、何氣ない調子で尋ねて見た。
「まだSBの處置のことを聞いてないね」
とたんに彼が緊張した顔になった。