●「続・知られざる日豪関係」(507)
「わたしと映画・南十字星」(57)
「オーストラリアの特攻隊」の続き
極秘の秘密兵器
私は以上の調査の概要を高級参謀の桑原中佐に報告した。
俊敏な桑原参謀は黙つて私の報告を聞いていたが、
「爆薬を捨てるなら海へ落せばいい、逃走に一番便利な帆船をいつしょに爆破するのは變ではないか」
「しかしこの船はすでに目標になつていると考えたからでしょう」
「そうかもしれないが、どうもおかしい、何か隠していることがあるのではないか」
「私が調べたかぎりでは、嘘を言わせないような心理状態を作り上げています」
後で私が自分のこの高言を恥かしいと思うようなことが起つた。