●「続・知られざる日豪関係」(512)

「わたしと映画・南十字星」(62)


「オーストラリアの特攻隊」の続き


 この軍用辭典のために私は終戦後、生命にかかわるほどの困難に遭遇するのだが、ここには關係がないから書かない。
 水上憲兵隊は元のキリスト教青年會の建物で、裏は美しい芝生になつていた。
 私たちは毎日その芝生に出て話をし、取調べもした。
 水元大尉以下の好意に感じて、彼らも素直で明るかつた。
 彼らが習つた柔道を見せることになつた。
 憲兵隊の今中曹長が相手をすることになつた。
 今中曹長は音楽を愛し、軍人にはめずらしい文化人だつたが柔道は黒帯だつた。