●「続・知られざる日豪関係」(513)
「わたしと映画・南十字星」(63)
「オーストラリアの特攻隊」の続き
この勝負はもちろん問題にならなく、今中曹長の勝だつた。
しかし、
「初段ぐらいでは、あの強力の柔道には歯が立たないでしようよ」と言つていた。
ケリー中尉はメルボルン出身で、一番のおしやべりだつた。
メルボルンではケリーという苗字は皆一族だから、メルボルンへ来たら必ず尋ねてくれと言つていた。
自分は一月一日附を以て大尉になつているはずだから、大尉と呼べとも言つていた。
ブラック軍曹は農夫で無線技師をつとめ、最も年長の三十四歳で、朴訥そのもののような好漢だつた。
濠洲では、米軍人がドルの力で若い娘の人気を集めて口惜しいと言つていた。
彼の家はフリーマントル港の附近だつたので壯圖につく前、脱柵して家に歸つたという話をした。