●「続・知られざる日豪関係」(612)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 日本軍はガダルカナルで何を始めようとしていたのか。
 クレメンズ、マクファラン、ローズの三人は、この問題についてきたるべき危険な日々に備えながら、討議しあった。
 三人はしばしば連絡をとっていたが、それは無線であったり、現住民の伝令を送ったりのやり方だった。
 伝令は丘陵やジャングルをぬける小道を矢のように走って往復するのだった。
 日本軍がルンガ平地のしゃれた農園の建物をこわしたり汚したりしているという報告を見て、クレメンズは当初日本軍が本当に居座るつもりでいるのかどうか判断に迷った。
 しかしそれならなぜ波止場を作ったのだろう。