●「続・知られざる日豪関係」(614)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 しかし七月六日になって疑問は氷解した。
 その朝一二隻からなる日本の艦船がスロットを下って来て謎の波止場に停泊した。
 駆逐艦が警戒している間に輸送船からは頑丈なトラクター四台、ローラー四台、発電機二台、製氷装置一台、トラック一〇〇台、十分な量の医薬品、三矢サイダーのラベルをつけた多数の清涼飲料などが積みおろされた。
 しかし日本は驚異的性能を発揮していたブルドーザーはまだ作れなかったので、彼らは土砂を運搬するためにトロッコ用の簡易レールを持ってきて、二台の機関車と一二台のホッパー(無蓋底開貨車)を動かした。