●「続・知られざる日豪関係」(779)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”新しい目と耳”
これを説明しようとすれば、がダルカナル上空で貴重な飛行機とパイロットを大量に失っている戦況を、なんとか回復しようとした日本の決意に触れねばならない。
日本軍はアメリカ軍がつねに彼らを待ち受けているのにほとんど対応策を講じられなかった。
日中に往復一一二〇マイルを飛行するためには、正午前後に目標へ到着する必要があった。
また燃料がぎりぎり一杯なので、いつも同じコース ── つまり最短コースを飛ばなければならなかった。
ガダルカナルの近くに飛行場を新設するのが最善の解決策であることは明白だった。
援護する距離が短くなれば、天皇の”荒鷲”たちはもっと自由自在に動けるだろう。
こうした要望にこたえられる飛行場が一つ、実際にすぐ手の届く地点にあった。