●「続・知られざる日豪関係」(781)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”新しい目と耳”


 日本軍はさらにブーゲンビル島の南端に近い平地に戦闘機用滑走路を作れば、さらに二〇八マイルを節約できると判断したらしく、九月九日、数隻の輸送船がカヒリ村落の海岸に荷下ろしを開始した。 
 現住民の代表たちが、海岸から四マイル奥へ入ったマラビタ丘にいたポール・メイスンの監視所へ駆けつけて来て、撤退すべきですと忠告した。
 日本軍は前にも一度上陸して来たことがあった。
 しかし今度は、「ベッドを運びこんでいる」というので、メイスンが急いで見張所からのぞいてみると、ベッドどころではなかった。
 トラクター、トラック、大砲、その他あらゆる軍用資材が続々と陸揚げされているところだった。