●「続・知られざる日豪関係」(821)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”新しい目と耳”


 二日後の一三日夜、今度は日本の戦艦が到着した。
 七〇分にわたって彼らは一四インチ砲でヘンダーソン飛行場を容赦なく砲撃した。
 夜が明けてみると無線局は破壊され・・・・・・パゴダはめちゃくちゃ・・・・・・航空燃料の大半は燃えつき・・・・・・食料倉庫に直撃弾が命中してそこら中に肉の罐詰が散乱していた。
 人員の死傷者は意外に少なかったが、約九〇機の在地機のうち八五機は飛行不能になる損傷を受けた。
 日本軍は”東京急行”を数日間は無傷で送りこめると判断したようだ。
 ヒュー・マッケンジーは、砲撃ではかすり傷一つ負わなかったが、朝の空襲で危機一髪の命を拾った。
 そんな時彼は普通なら隠れたりはしなかったのだが、この時に限って待避壕にもぐりこんだ。