●「続・知られざる日豪関係」(820)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”新しい目と耳”


 ガダルカナルではヴァンデグリフトと参謀たちが各方面からの通信をつきあわせて、当面の戦況をつかもうとしていた。
 メイスンの報告、飛行機の偵察報告、捕獲文書、太平洋艦隊の最新の無線傍受など、一切がこれまでこの島に向けられたどの攻撃よりも大規模な日本の新攻勢を予言していた。
 一〇月一一日、KEN局は新たな”東京急行”がスロットを下ってくるとの通信を受けとった。
 この時はサボ島沖海戦以来はじめて米水上艦隊が付近の海面に進出し、その夜エスペランス岬沖の海戦で勝利を収めた。
 しかし日本軍は数隻の水上艦を失った代りに曲射砲、トラック、人員などを島に上陸させたのであった。