●「続・知られざる日豪関係」(823)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”新しい目と耳”
二六日の未明までにヘンダーソン飛行場奪還を狙った日本軍の第三次攻勢が失敗したことは明白になったのである。
疲れきった勝利者にとってもう一度守り抜いたという安心感、日本軍がそれまでに試みたもっとも激しい攻撃にも堪えぬいたという満足感はかけがえのないものであった。
海上においても事情は同じだった。
アメリカ艦隊は、日本軍得意の夜戦でも勝利を得て自信を回復した。
そしてこの時、闘志満々の新しい総指揮官が登場した。
それは、有能ではあるがパッとしないゴムリーに代ったウィリアム・F・ハルゼー海軍中将であった。
KEN局では、マッケンジーがやはりほっとした気分を味わっていた。