●「続・知られざる日豪関係」(833)

「 ─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 実力行使


「わたしの助言にはいつも従いなさい。
 夜は明りをつけてはいけません。
 ハンター岬やマラボボの日本兵に近づかないように。
 わたしたちの敵を助けるようなことを決してしてはなりません」
 要するにクラークは神父から作戦指揮者に変身したのである。
 見たところタンガラレの生活は正常に戻ったが、人人が直面している大問題は、医療のことでも、教育のことでも、霊的なことでさえもなかった。
 それはいかにして生きのびるかだった。
 島をめぐる大戦闘が、すべてを支配していた。