●「続・知られざる日豪関係」(881)
「 ─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
“東京急行”を撃滅せよ
ルビアナ礁湖内の小島を根拠に、彼は三〇人の斥候をとりしきっていたが、その中のだれ一人何が起こっているかを正確に判断した者はいなかった。
日本軍は警戒心が強く、現住民の労働力を使うことさえしなかった。
できるだけ近くまで這っていった偵察隊たちは、どんどん船が着いて装備を陸揚げしている・・・・・・
建設隊がつるはしやシャベルで働いている・・・・・・
ほかのものは忙しそうに木を切り倒している、といったていどの報告しかできなかった。
最初の糸口をつかんだのはNRY局だった。
ムンダへ向う日本の舟艇は、日中はベララベラ島沿岸に隠れる習慣があった。
それをジョスリンの現住民たちが近くから気づいたのである。