●「続・知られざる日豪関係」(882)

「 ─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


  “東京急行”を撃滅せよ


 運ばれている積荷に関する彼らの報告に基いて、彼はKEN局にあてて一二月一日頃打電した。
日本兵はセメントなどの重量物を上陸させているらしい。
 ムンダ岬に飛行場を作るための資材かと思われる」
 飛行場だという判断は正確だった。
 田中少尉の大船団が壊滅したこともガダルカナル奪還を狙う日本の希望を断念させるものではなかった。
 しかし東京はそのためには制空権を持たなくては何もできないと悟ったのである。
 陸軍と海軍の新しい共同作戦によって飛行機の数は確保できたが、距離の問題が残っていた。
 ブカやカヒリの飛行場およびレカタ湾の新しい水上機基地は有力な戦力となったが、まだ十分ではない。