オ−ストラリアのパブ 

 



 そろそろ梅雨明けも間近。ビ−ルのおいしい季節がやってくる。
 そういえば、オ−ストラリアの人々が一番好んで飲んでいたのはビ−ルだった。
 次いで、ワイン。オ−ストラリアには、おいしいワインを製造するワイナリ−がたくさんある。逆に、ウイスキ−を飲む人は少なかった。彼らに言わせると、「胃をやられるからだ」とのこと。
 我が家で何回もパ−ティを開いたが、バスタブ(日本のものより2倍ぐらい大きい洋式浴槽)に水を張ってブロックアイスを入れ、何ダ−スものビ−ルをぶち込んで冷やして来客に備える。冷蔵庫一つでは、とても間に合わないからだ。
 オ−ストラリアのビ−ルは、アルコ−ルの度数が高い。日本酒並み、いやそれ以上だったと記憶している。(ここは大事なポイント。ぜひ、記憶にとどめておいてほしい)。
 吉田健一さんと高城明文さんが書かれた「ロンドンのパブ」によると、「イギリスを訪れた旅行者でパブに足を踏み入れない人はいない」ということだが、実はオ−ストラリアでも、パブ大きない存在だ。
 かつて、山陰のT市に勤務したとき、「タチキュウ(立ったままキュ−ッと飲む意味か?)」という酒店店頭での一杯飲み屋のお世話になったが、オ−ストラリアのパブは大分様子が異なる。
 お酒(主にビ−ル)だけでなく軽食も用意されていて、昼食をここで取る人も少なくない。
 「パブ」は、正しくは「パブリック・ハウス」、または「パブリック・バ−」とも言われる。日本では、お酒の飲めるところはいたるところにあるが、オ−ストラリアではそうはいかない。限られたレストラン以外に「酒が飲めるところ」といえば、このパブしかない。キャバレ−やクラブなど、当時はほんの数えるほどしかなかった。だから、オ−ストラリアの男性にとって、パブはなくてはならない社交の場であり、貴重な憩いの場でもある。
 ここには、あらゆる職業の人々が集まってくる。