その事件とは・・・

 

● その事件とは?

 シドニ−のあるパブの主人が、親切心から、「うちには女性用のトイレがないので・・・」と、訪れた女性客を丁重に断った。シドニ−と言っても、郊外にある小さなパブのこ。しかも、長い間男性しか入れない場所だった。女気がまったくなかったのだから、「女性用のトイレがい」というのは本当のことだろう。
 するとこの女性客、
「女性を差別するとはナンタルコと!亭主族をダメにするパブなんて、ぶっつぶせ!」と、わめき始めたのだ。
 その場は何とか女性客をなだめたが、この話しを伝え聞いたウ−マン・リブの闘士たちは黙っていなかった。
 シドニ−市内のパブに片っ端からデモの攻勢をかけ、“パブをつぶしてしまえ!”と、シュプレヒコ−ルを繰り返した。不幸なことに、そのうちの一軒では、建物の内部に乱入した女性がビ−ル瓶をたたき割って、バ−テンダ−にけがさせてしまった。
 女性がパブで堂々とお酒を飲めるようになった背景には、このような涙ぐましい武勇伝があった?・・・。
 こと腕力にかけては、この国の女性たちは“男勝り”に生まれているようだ。また、胃袋が弱ければ“パブの開放”など望むはずもない。アルコ−ルには自信のある私でも、この国の女性たちの飲みっぷりには感動?さえした。(同時に、恐ろしくも感じた。ビ−ル瓶でけがをさせられたバ−テンダ−がかわいそう・・・)。