何もかも「あべこべ」の続き

 こんな光景にいちいち腹を立てていたら、日本人の男性はとてもオ−ストラリアに住めないだろう。こんなことは日常茶飯事で、「いつ、どこででも」見られる。
 いかなる場合でもふんぞり返っているのはカミさんで、かいがいしくこまめに働くのは亭主なのだ。
 ある調査によると、オ−ストラリアで家庭の中心になっているのは母親で、家庭内のことの50%は母親の責任で決めているという。これに対し、父親の方はわずか2%だそうだ(残りのの48%について「誰が決定権を持っているか」という資料はない)。
 同じように、「女性が強い」と言われるアメリカの場合、90%までを父親が決めているという。「2%と90%」。この違いをどう理解したらいいのだろうか?
「お母さんに聞いてみなさい。お母さんがいいと言ったら、そうしてもいいですよ」
 よその子どもから、「これをしてもいいですか」と尋ねられると、オ−ストラリアでは大抵の大人はこう答える。子どもを褒めたり叱ったりするのも、ほとんど「母親の役目」だ。
 ここで、もう一度「オ−ストラリアン・ハズバンド」について「整理」しておこう。
「家庭内にあっては、『よく働く夫』という意味であり、オ−ストラリアの平均的亭主像である。芝生の手入れや家のペンキ塗り、車の修理、ヨットやモ−タ−・ボ−ト作り、子どもの面倒をみるなど家庭内のことは何でもする。皿洗いを日課とし、冷蔵庫に何本ビ−ルが入っているかまで把握している。中には、自分で家を建てる者もいる。
 目を覚ますと一番に、ベッドにいる女房にコ−ヒ−を入れてやる者も少なくない。『お前のことを愛しているよ』というセリフをほんの何日間か忘れようものなら、離婚訴訟を起こされて着の身着のままで家を追い出され、一生慰謝料や子どもの養育費などを払い続けなければならない。『女房の尻に敷かれることにかけては世界でナンバ−・ワンのオトコども』と定義づけることができる」?これもまた、私の独断と偏見・・・。