何もかも「あべこべ」の続きの続き

 オ−ストラリアでは何でも亭主がやってしまうので、「女房どもは時間を持て余しているのではないか」と思われるかもしれない。
 だが、現実はまったく異なる。彼女たちは、家事一切を夫に任せてのんびりとテレビを見たり、昼寝を楽しんだりしている訳ではない。「一銭の得にもならない」ボランティア活動に懸命になっているのだ。
 夫が家事を担う一方で、妻たちは“社会のために奉仕している”のである。自分の家族のことだけでなく、自分たちの住んでいる地域社会、いや「自分たちの国を少しでもよくしよう」と考えて一生懸命に奉仕活動をしている。
 独り住まいのお年寄りのために食事の用意や洗濯などをしたり、交代で学校の売店で働いて図書室の本を購入する資金作りをしたりもする。また、休日などには、主要な道路の交差点で取っ手の付いた缶を振り回しながら、信号待ちをしている車に、「小児専門の病院を作ろう」「○○の国の難民を救済しよう」などと「街頭募金」を呼びかける。
 どこかの国の大スタ−に、「○○サマブ−ム」とうつつを抜かす、これまたどこかの国のご婦人たちとは大違い?