「ジョ−ク」の続きの続き  

 いくらジョ−クでも、ここまでやるとちょっと度が過ぎるのでは?と思える事件があった。
 「21歳と19歳の若者のうちの一人が、預金を下ろしに市内の目抜き通りにある銀行に行った。途中で、どちらからともなく、『銀行強盗の真似をしたら、さぞかし銀行中が大騒ぎになるだろう』という話になった。
 ところが、「試しに、一つやってみようか」ということになり、冗談は思わぬ方向に突っ走ってしまう。
 一人が預金の引き出し伝票に記入しているうちに、もう一人が脅迫状を書き上げ、『これでどうだい』と仲間に見せ、二人は笑った。その脅迫状には、『これは脅迫状だ。このかばんいっぱいに、現金を詰め込め!』。
 やがて、脅迫状は銀行の出納係に手渡された。そして・・・結末は?
“銀行中が大騒ぎになる”前に、二人の若者は屈強な行員たちによって、いとも簡単に取り押さえられてしまった。裁判所で、検事が被告の一人に尋ねた。
『もし、本当に強盗をするつもりでなかったなら、どうして出納係を見て笑わなかったのか?』
『私はもともとあまり笑わないタチですし、出納係の女性も、まったく笑おうとしなかったからです』。
 この二人は、銀行員に取り押さえられたとき、凶器どころか、かばん一つ持っていなかったという。(「ジ・エイジ」1971年4月30日)」。