時には過剰に

 そのサ−ビス精神が、時には苦になることもある。まったく身勝手で、バチが当たりそうな言い分だが・・・。
 個人が開くものではなく、大勢の人々が集まる企業などの主催するパ−ティ−でのことだ。不特定多数の人間を相手に、喋り疲れ、あるいは飲み疲れて、ゆっくりと休みたくなり、そっと会場の片すみに逃れる。
 ところが、「一人でもお喋りに加わっていない人間がいたら、そのパ−ティ−は成功していない」というお国柄だ。そんな私を見つける人が必ずいて、あっという間に元に引き戻されてしまう。
 正直言って、「そっと一人にしておいていただけませんか」というこの国での“禁句”を口にしたくなることがある。
 とにかく、オ−ストラリアの人々は、こういうときには旺盛なサ−ビス精神を発揮する。
 親友の弁護士の言葉を借りれば、「習慣の異なる外国人に、どのようにして楽しんでもらうかと一生懸命に考え、あなたの喜ぶ姿を見るのが、非常な楽しみなんだ」と言うのだが・・・。やはり、これは私のわがままか・・・。