オ−ストラリア語(3) 

 仮に、親友の弁護士がオ−ストラリア語を話す人間だったら、果たしてこうも親しくなれたかどうか疑問に思える。たとえ友人になれたとしても、私がオ−ストラリア語をどうにか理解できるようになってからのことだろう。もしそうだとしたら、彼とのつきあいはあまりにも短かったに違いない。(彼は、私のために他人のオ−ストラリア語の“通訳”も務めてくれた)。
 私が最初にこの難解な?オ−ストラリア語に出合ったのは、シドニ−からメルボルンへ向かう飛行機の中だった。その前に、シドニ−空港で税関の役人と二言三言交わしたが、これはどうやらパスできた。
 この後、国営国内航空のTAA(Trans Australian Air Lines)に“乗ったつもり”でいた。それなのに、離陸直前になって、「飛行機を間違えたのではないか?」と思うような出来事に遭遇した。
 スチュワ−デスが、「TII(ティ−・アイ・アイ)をご利用いただきまして・・・」とアナウンスし始めたからだ。
 ただでさえ飛行機嫌いの私だ。これ以上は無理だと思えるほどシ−トベルトをきつく締めていたからたまらない。驚いて立ち上がりかけ、すんでのところで腰を痛めるところだった。(腰を痛めていたら、これも“飛行機事故”だった?)。