オ−ストラリア語(6) 


 あるアメリカ人が、オ−ストラリアに来て病気になり病院に電話したところ、応対した看護婦から、「あなたは、死ぬために病院にいらっしゃるのですか?」と言われてカンカンになり、「死ぬためではない。生きるために行くのだ!」と怒鳴ったという有名な話がある。これは、看護婦が言った「TODAY(今日)」が、アメリカ人には「TO DIE(死ぬため)」と聞こえたからだ。
 ある年、通産大臣(当時)を団長とする日本の経済使節団がオ−ストラリアにやってきた。一行には、二人の通訳が加わっていた。一人はウ゛ェテラン、もう一人は経験は浅いが、アメリカへ出かけたときには十分に活躍した実績のある若い人だ。
 オ−ストラリアに到着して団長が記者会見することになり、まず若手の通訳が登場した。
 ところが、この通訳には、記者団の質問していることがさっぱり理解できない。
 すかさず、ウ゛ェテランがピンチヒッタ−として対応し、この場をしのいだという。これは、日本の経済使節団と行動を共にした人から直接聞いた話である。
 ここで若手の通訳の名誉のために?紹介しておくが、実はこの国の記者たちの話す言葉は、ほとんどが典型的なオ−ストラリア語なのだ・・・。