テレビ・ワ−ク(9)


「どうしてって?本当に、いつもこんなに静かにしているの?」
「いやだなあ!あなたの言う“静か”の意味がよく分からないんだよ・・・」
「じゃあ聞くけど、ジム、あなたは3台のカメラの切り替えは指示したが、それぞれのカメラ・マンが撮っている画については何も言わなかったね。同じワン・ショットでも、もっとアップにしたり、逆に引いたりした画面が欲しいときがあるだろう?」
「もちろんさ。カメラ・マンの撮る画が、いつもパ−フェクトだとは限らないさ。だけど、どうして?」
「カメラ・マンの撮った画が気に入らなければ、注文をつけるのは当たり前じゃない?」
「注文をつけろだって?ハハ−ン、日本ではそうしているのか・・・。だけど、もし私がそんなことをしたら、仕事が終わったあとでカメラ・マンからパンチをもらうことになるだろう。パンチ覚悟なら、いくらでも注文をつけられるが、彼らはプロのカメラ・マンなんだぜ!。その道の専門家に、素人の私がどうして口が出せるんだい?」。