テレビの周辺(1)

 

「放送中に、シャックリが出たら・・・」。テレビの生放送に出演する人々にとって、考えるだけでもゾ−ッとする話だろう。
 ところが、国営放送局でテレビ・ニュ−スを読んでいたベテラン・アナウンサ−(正式にはニュ−ズ・リ−ダ−)が何の予告もなしに?シャックリをし始めたのだ。「いったい、どうなることか?」。その後の成り行きが気になり、思わず膝を乗り出して画面に見入った。
 だが、このベテラン・アナ氏。実に堂々と、“シャックリ音入りの特別ニュ−ス”をご披露している。異変に気づいたスタッフが慌てて水を持ってくると、アナ氏はカメラに向かってコップを掲げ、「イクスキュ−ズ・ミ−」とウインクしながら、中の水をゴクゴクゴク。再び、ニュ−スを読み始めたのだが、またまた「ヒィックゥ−イ!」。
 残りの水を一気に飲んだものの、何の効果もなし。
 突然、画面は暗転して「こちらはABCテレビです」の文字が・・・。