テレビの影響(4)

 

「家族全員がテレビの前に座り、料理の入った皿やボ−ルをひざの上に置いて、黙ったままで食事を取る家庭も多くなった。こうなると、テ−ブル・マナ−だけでなく、料理そのものも変わってきている。つまり、ナイフやフォ−クを使わないで簡単に食べられる料理が、一層ポピュラ−になってきた。食事のベ−スとして、主婦たちからお米が注目されるようになったのも、その理由の一つだ。
 家族の中には、みんなでお喋りしながら夕食後のひとときを過ごした古きよき時代を懐かしむ人々もいる。だが、テレビ時代に生まれた子どもたちに、いくらそのころの話をしても、さっぱり理解してもらえない。
 実は、家族が一緒に過ごす時間は、以前よりも長くなっている。だが、みんながテレビを見ているため、お互いに話し合う時間は逆に短くなってしまった。
 テレビを見たあと、自分のベッドに直行する人も多い」。