テレビの影響(5)

 

「もちろん、テレビを見ることに利点がない訳ではない。子どもたちの外国の風土や国民性、科学技術の進歩、動植物についての知識は、以前よりずっと豊かになっている。事実、本よりもテレビから学ぶことの方が多い。だが、その分読書時間は短くなり、読む本の傾向まですっかり変わってしまった。
 学校での子どもたちの話題は、授業の内容ではなく、テレビ番組のことが中心になっている。以前は、外に飛び出して遊ぶ子が多かったのに、今は家に引きこもってテレビを見る子どもが増えている。もっとも、その方が母親にとっては慰めになる(「目の届くところにいるから安心だ」という意味?)かもしれないが・・・」。
 国営放送の「テレビと家族」という番組で、出演者がこんな話をしていた。
 白黒テレビでも、こんなに問題点が指摘されているのだから、これが「カラ−放送になったら、どうなるだろう?」。万事に行動的で、自分の体を動かすことが大好きなこの国の人々に、カラ−・テレビは、いったいどんな影響を与えるか非常に興味深い。