なかな言わない「アイム・ソウリ−」の続き

  

 一見、無責任とも思える態度が何の抵抗なしに取れるのも、言ってみれば、幼いときから十分に訓練されて、そういう習慣が身についているからだろう。
 実は、私の息子にも困ったことがあった。明らかに彼に非があるときでも、なかなか「アイム・ソウリ−」と言おうとしないのだ。それどころか、母親がつい感情的になって理屈に合わないことを言おうものなら、「待ってました!」とばかりに一挙に反撃に転じ、「マミ−の言うことはおかしい」と、堂々と三段論法? を展開するのだ。
 そうこうするうちに、みごとに問題の本筋をすり替えてはぐらかしてしまう。こうなると、女性は弱い? 
 ある日、たまりかねて「なぜ、素直に謝ろうとしないのか」と、彼を叱った。
 彼がべそをかきながら言うには、「だって、そうしないと、友達との喧嘩に負けちゃうんだよう・・・」。