なかな言わない「アイム・ソウリ−」のさらに続き

  

 一度だけ、公に? 「アイム・ソウリ−」という言葉を聞いたことがある。
 珍しく? 謙虚な御仁は、夜遅くテレビ・ニュ−スを読んでいた若いアナウンサ−だ。この夜の彼は、最初から様子がおかしかった。とにかく、“トチリにトチリまくって”いた。
 いつもなら、ニュ−スの終わりに「明日の夜、またこのテレビの前でお会いしましょう」と言うところを、蚊の鳴くような小さな声で「アイム・ソウリ−」と言ったのだ。「何をごめんなさい」と言ったのかは分からないが、たぶん“トチッタこと”を詫びたのだろう。
 あるいは、夕方に引っかけたビ−ルの量に、問題があったのかもしれない。
 オ−ストラリアのアナウンサ−は、ごく当たり前のように彼ら流の生活を楽しんでいる。
 だから、習慣に従って、夕方友だちとパブで一杯やることもあえて拒まない。
「カラ−放送になったら、ちょっとまずいことになるのでは?」と、日本人の私は心配してしまう。顔が赤くなるほどは飲まない? 巨大な胃袋の持ち主ばかりだから、問題ないか?