「アイスクリ−ムを買う順番」の続き

  

「なるほど、人口の少ない国らしいな」。真夏のことなので、のどが渇くのは私たちだけではない。冷たいアイスクリ−ムや飲み物を求めて、大勢の人々が売店の前で順番を待っていた。だが、これらの人たちは、きちんと並んでいない、つまり列が出来ていないのだ。
「こりゃあ、まずい。何とか前に出なければ・・・」
 私は、懸命に人垣をかき分け、首尾よくカウンタ−の最前列に出ることに成功した。そして、店員に声をかけるタイミングを見計らっていたのだが・・・。
 美人の店員さんは、そんな私をまったく無視して、「次の方、どうぞ・・・」と、あらぬ方に声をかける。
 すると、売店の前でバラバラに集まっている感じのお客の中から一人だけ前に出て、「アイスクリ−ムを3つください」などと注文する。
 その人の買い物が済むと、また「次の方、どうぞ・・・」。今度も、たった一人だけ前に出てオーダ−し、そして、また一人が・・・。とにかく、この繰り返しなのだ。