「アイスクリ−ムを買う順番」の続きの続き

  

 売店の前には、15、6人、いや20人ぐらいの客がいた。不思議なことに、きちんと列が出来ているわけでもないのに、誰もが暗黙の? 「順番らしきもの」に従っている。
 私は、感心する一方で、新たな不安に襲われていた。
「次の方、どうぞ」と言われても、私の順番はいったい誰の次なのか、私の前の人は誰なのか、さっぱり分からないことに気づいたからだ。
「弱ったなあ。これじゃあ、いつまで経っても買えやしない。のどはカラカラだし・・・。 仕方がない。新しくやってくるお客をマ−クして、その人の次に買うようにしよう・・・」
 幸いにも、ひときわ背の高い“ヒゲヅラ”が、売店にやってきた。
「この顔なら、絶対に見間違うことはない」と確信し、私の視線は、店員さんにではなく、このヒゲヅラの若い男性にくぎづけになっていた。
「次の方、どうぞ・・・」。だが、誰も前に出る気配がない・・・。