「アイスクリ−ムを買う順番」のさらに続き

  

 このときも、私の注意は後方にいる“ヒゲヅラ”に集中していた。
 すると、しばらくして隣にいるおばあさんが、後ろ向きの私に声をかけてきた。
「あなたの番じゃないですか?」
「えっ! そうですか?」
「何になさいますか」と、すかさず店員さん。
 私を無視し続けていたご本人とはとても思えないほどの優しい声で尋ねる。
 こうして、冷たい飲み物をやっと手にすることができたのだが・・・。
 それにしても、こんなにたくさんの人が待っているのに、誰一人として順番を乱そうとしない。それ以上に驚いたのは、順番に気づかない私に声をかけてくれたご婦人がいたことだ。とても信じられなかった。
 彼らは、待つことに慣れた国民なのだろうか。いや、そうではない。この国で生活するには、誰もが「きちんと順番(ル−ル)を守らなければならない」ということだ・・・。