“湯水のごとく”使わない(2)

  

 冗談まじりで無責任にそう言うと、ブライアンは、さも「驚いた」と言わんばかりに私の顔を見つめながら、ムキになって答えた。
「とんでもない! そんなことをしたら、罰金を取られてしまうよ!」
「どうして? こっそり水道の水を使ったって、分かるはずはないじゃない?」
「いや、それはだめですよ。隣の人に告発されてしまいます!」
 この意味がとっさに理解できず、ブライアンに確認すると、
『たとえ隣同士であっても、決められたル−ルを破るようなことをすると、告発されるのは当然だ』というのだ。
「でも、隣の人のことを告げ口したら、先行きお互いに住みにくくなってしまうのでは?」
「そんなこと、絶対にない!」。顔を真っ赤にしながら、彼はさらに話を続ける・・・。