“湯水のごとく”使わない(3)

  

 ブライアンの言葉が決してオ−バ−でなかったことが、間もなく証明された。
 数日後の新聞に、ある人が「水道の使用制限を破って近所の人に告発され、多額の罰金を払った」という記事が載った。
 その人は、たまたま水の豊富な保養地から帰ったばかりで、メルボルンが「給水制限中」であるのを知らなかったとのこと。
 その後、注意して観察していると、芝生に“まっさら”の水道水をまいているように見えるゴルフ場や苗木屋さんなどでは、人目に付くところに、必ず「ここで使っているのは、井戸水です」という看板が掲げられていた。言うまでもなく、誤解されて告発されるのを避けるためだろう。これは、“ル−ル破り”に対して、他人の目が厳しく光っていることを物語っている。
「給水制限」に限らず、「守るべき決まり」については、実に“徹底”している・・・。