“湯水のごとく”使わない(6)

  

 彼らは、水を非常に大切にしている。だから、台所での洗い物も実に簡単だ。
 皿やコップをお湯を張った流しに入れ、洗剤を何滴か垂らしてしばらくつけておく。
 どこの家庭にも、ホット・ウオ−タ−・サ−ビスが普及していて、台所や風呂場ではいつでもお湯が出るようになっている。洗剤入りの湯に浸したあとは、食器類を一つずつ取り出して布巾で拭くだけ。もう一度、すすぐようなことなど、めったにしない。
 私たちがこういうやり方に慣れるまでには、かなりの時間がかかるに違いない。
 これも、オ−ストラリアの友人から聞いたこ話だが、日本人は、フラット(アパ−ト)の所有者からは、あまり歓迎されていないそうだ。
 その理由は? 普通、水道料金はフラットの持ち主が負担することになっている。「水道代がかさんで割に合わないから」だという。