“湯水のごとく”使わない(7)
妻が台所で洗い物をしているとき、親友の長女が遊びに来たことがある。
女同士でおしゃべりをしながら、妻の手伝いをしているうちに、彼女は不思議そうに
「どうして、あなたはそんなに水を使わなければならないのか?」と尋ねたそうだ。
「給水制限中」でもないので、ごく普通に、つまり日本式の洗い方をしていたという。
水に限らず、電気やガスなどのすべてを「みんなの財産」と考えるオ−ストラリア。
彼らは、想像以上に、これらの資源を大切にしている。
この国では、「自分さえよければ」という考え方は、一切通用しない。そういう生き方をしたら、たちまち社会的な制裁を受けるだろう。それが、ごく親しくしている隣人から告発される場合さえあるのだ。
“豪に入っては豪に従う”のは、思ったほど楽ではない。