子どもの生活時間(5) 

  

 彼女は、両手でそっとドアを締めながら、
「よく寝ているでしょう? こういう賑やかさには十分慣れていますから、大丈夫、心配要りませんよ」
「慣れている」というか、「よく訓練されている」いうか、隣の部屋のやかましさがモロに伝わってくるのに、ジェレミイは平気で眠り込んでいた。
 それに比べ、私の息子には手を焼いた。
 初めのうちは、8時に寝ることにかなり抵抗を示し、きつく叱らないと自分の部屋に行こうとしなかった。時には、両親の知らないところで、「時計の針を戻しておく」という“裏技”を駆使することもあったが、いつの間にか時間になると「おやすみなさい」と言って、自室に引き上げるようになった。
 クラス・メイトとつきあううちに、きちんと決まりを守る彼らの影響を受けたようだ。