「コミュニティ−のル−ル」の続きの続き

  

「破ろうとする人間がいるからこそ、厳しいル−ルが必要なのだ」と、彼は力説する。
 かつて、1850年代のゴ−ルド・ラッシュのころ、ウ゛ィクトリア州の金山だけで、2万5千人もの中国人労働者が働いていた時代があった。彼ら中国人は、当時の慣例(習慣)に従わずに、低賃金でよく働いた。
 これは、オ−ストラリア人労働者にとっては、「ル−ル違反」であり、脅威でもあったのだろう。事実、彼らの労働条件は、次第に悪くなって行った。そこで、オ−ストラリア人の労働者は団結し、長い年月を費やしながら、中国人をこの国から排斥したという。
 このときの中国人に対する警戒心が、やがてアジア人の移民を認めない「移民制限法」につながって行った。いわゆる「“白豪主義”が生まれた背景には、このような事情があるのだ」と、その友人は言うのだが・・・。
 彼の白豪主義についての説明は、決して十分だとは思えない。