社会生活(11)

 
 
 極端に言えば、新聞(活字)に彩りを添えるビキニ姿の美女の写真が違うぐらいで、肝心の記事の方は、朝刊で読んだニュ−スと同じ内容が、夕刊専門紙に載っていることも多い。
 見方によれば、過剰な情報を提供することによって、「人々を混乱させたくない」という配慮からかもしれない。
 このあたり、新聞までも「いかにもオーストラリアらしい」と思えるのだが・・・。
 一方で、その“のんびりとしているはず”の新聞が、「先頭に立って、市民運動を引っ張る」というのだから、日本人の私は驚くと同時に、戸惑ってしまう。
「スクープ合戦」にではなく、市民の生活を守るためにエネルギーを使っている? のだ。 メルボルンの有力紙「ジ・エイジ」のケウ゛ィン記者が、口癖のように「日本のマスコミは、何をしているのかさっぱり分からない」と繰り返した言葉が今でも印象に残っている。 そういえば、ケウ゛ィンはこうも言った。「日本のマスコミは、クレージ―だ」・・・。