ピック・アップで助け合い(6)

 

 こうして一台の車に乗り合わせることができるのは、サラリ−マンの出・退勤時間がほぼ同じで、それぞれの勤め先もあまりかけ離れていないという事情があるからだろう。
 何しろ、時間外労働をするサラリーマンは、ほとんどいないお国柄だ。朝の出勤時間が同じなら、当然帰りも一緒ということになる。
「同じ車に乗り合わせる」という点では、実は子どもを学校に送り迎えする場合も同じだ。
 高学年の子どもは、バスや電車、時には自転車で通学するが、低学年となると、やはり大人の誰かが、登校と下校時の面倒を見なければならない。
 私の子は学校には歩いて5分で行けるので問題ないが、何しろ一つの校区は、日本と違ってとてつもなく広い。そこで、親たちが交代で隣近所の子どもたちをまとめて車で学校へ連れて行き、帰りは帰りで、みんなを乗せてそれぞれの家に送り届けている・・・。