「夫婦げんかの結末」の続きの続き

 

 日本人の私から見れば、気心の知れた仲間同士が一緒になってワイワイ・ガヤガヤ言いながら引っ越しするのは、まことに楽しそうで、レクリエーションの一つのようにも思える。
「助けられたり、助けたり・・・」。昔、日本でも、そんな歌が流行ったことがあった?
 オーストラリアには、よい意味での「隣組精神」がまだ残っている。
「互いに助け合う」ことで一番きずなの強いのは、「ユダヤ人社会だ」と言われている。
 私のフラットの下の部屋に、ユダヤ人の若夫婦が住んでいた。二人とも親切で、底抜けに明るい仲の良い夫婦に見えた。
 ところが、奥さんのお腹がせり出して? くるにつれて、主人の帰宅時間が遅くなってきた。何か飲食店関係の仕事をしているようで、普段でも深夜のご帰還なのに、それがさらにひどくなったのだ・・・。